今期も底曳網が始まりました.
底曳網解禁!
9月に底曳網漁業が各地で解禁しました!
(いままで「である調」だったのですが,なかなかである調だと硬くなってしまい,書きづらかったので今更ながら「ですます調」に変更します)
駿河湾では少し遅く9/15となりましたが,遠州灘に面する愛知県や静岡の一部では9月あたまから解禁していたようです.
このため,9月に入ってから静岡県内のスーパーでもアオメエソ(メヒカリ)や二ギスといった深海性魚類がぽつぽつと見られるようになってきました.
今回は久々に近所の漁港で底曳網漁の水揚げを見てきました.
ユメカサゴがたくさんあがっています.
おおきいものだと刺身もいいのですが,これくらいだと煮付けがうまそう.
おお!ウケグチメバル!
いつもいない魚との出会いはうれしいです.
漁師さんに挨拶し,投棄魚からサンプルを確保して帰宅しようとしたとき,
今日はたくさんとれたからもってけとおこぼれをいただいてしまいました.
市場に入れていただいているだけで感謝なのに・・・.
今季初のメヒカリ,美味しくから揚げでいただきました.
何かと忙しく次のサンプリングはいつどこに行くことになるか・・・.
はやく色々な深海魚をみたいですね!!
東北深海魚紀行~石巻魚市場へ~
石巻漁港 石巻魚市場へ
宮城県には日本有数の大型漁港が三つもあります.その中でも石巻港は水揚げ量全国6位(平成28年度)と大量の魚がが水揚げされるマンモス漁港です(石巻市HP:
http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10102000/0040/3914/6-8-1803.pdf 20180620閲覧
).
今回は石巻港に水揚げされる沖合底曳網漁獲物,特にトウジンとして扱われるソコダラ類のサンプリングを目当てに伺いました.
新しい石巻魚市場は全長876 mもある巨大市場です.
その一端についただけで,事務所ははるか遠くでした…
市場の仲はいくつかの区画(棟)に区切られていて,最初に見学したのは事務所の正面,近海底曳,沖合底曳,養殖のギンザケが並ぶ区画でした.
早速目当ての底曳網産物へ
「とうじん・赤ひげ」として販売されます.
この日はトウジン,赤ひげ合計でで約23トンの水揚げ.
練り物や魚粉,つなぎなどに使われるそうです.
ちなみに,赤ひげと呼ばれるのはイトヒキダラ,とうじんとされるものには複数種混ざっており,今回はオニヒゲとテナガダラが主な漁獲物でした.
沖ハモとされるイラコアナゴは6トンの水揚げ.
アカドンコ
鍋物にするとおいしいらしいです
駿河湾でもたまに見かけますが,東北沖ではニュウドウカジカとともに安定的に撮られているみたいですね.
さすがは東北,アブラツノザメがごろごろしてます.
キチジ(キンキ)がずらり.圧巻です.
これが沖合底曳網漁船.
目的は達成したのですがほかの漁も見学させていただきました.
以下近海の底曳網です.
チゴダラとカレイ類
こちらも練り物になるらしいです.
色々入ってます
サブロウはみることができてうれしかったです
オオクチイシナギ.
おおきめ!
ヌマガレイとカスベ類.
おそらくこれも練り物用.
こちらは養殖ギンザケ,これがまたすごい量….
値段を書いた札を集める競り方式ですが,すぐにそれらを打ち込んで,落とした人を発表.電子化してデータにもしているようです.
次は定置網
定置網船もデカイ・・.
すごい量すごい勢いで仕分けられていきます.
すごい・・・!
ここではクサウオをもらいました.
エゾクサウオらしいです.後輩君が落としてくれました.
震災後,漁獲物の放射線に関する徹底的な安全管理が行われています.
これが放射線測定器.
従来のものは切り身にしないとだめだったものを,東北大学との協力で鮮魚のまま測れるようにしたすごい機器らしいです.
水揚げされた魚はロットごとに無作為に選んだ数十匹の魚を,必ずここで検査をしてから販売します.
あれだけの量の魚について毎日計測しているのはすごい手間です….
徹底的な安全管理に脱帽…
東北の漁業者の努力が報われるよう心からお祈り申し上げます.
石巻魚市場の食堂
競りは6時半から順次行われ,どの部署も8時ごろには終了します.
これだけの量の魚があるのに1時間半ですべてが終了するとは驚きです.
7時前になると仲買や加工業者のトラックが魚を運び出し,魚であふれていた市場は空っぽになりました.
私もその時間に合わせて食堂に行きました.
食堂は一仕事が終わった人々でにぎわっています.
この食堂は一般人でも入れ,最近は観光客も増えてきているらしいです.
私はカツオの刺身定食を頼みました.
カツオも石巻港の主要な水揚げ物.
こうやって,朝あがった魚の一部がすぐに食べられるのはとても魅力的ですね.
ちなみに,一般人の競り見学は見学通路から可能です.
事前に連絡をすれば案内までしてもらえるらしいですよ.
一色さかな村と西浦鮮魚マーケットへ。
雨上がり,期待薄・・・.しかし,深海魚が少し!
2018年もすでに6月あたま.もう梅雨入りである.この日はちょうど雨上がりで,船もあまり出ておらず期待薄な中,とりあえず一色さかな村を目指して早起き.
私の我儘に付き合ってくれた先輩と後輩と.朝4時ごろラボに集合し,眠い目をこすってまずは一色さかな村へ.これが結構遠い・・.
一色さかな村はは朝4-7時のみ営業(土日は昼までやってる店もある.)HPでは8時までとなっているが,7時にはしめてしまう店もあり,また遅くいけばいくほど品物は薄くなっている.ちなみにすぐ横に一色さかな広場という観光客向けの施設があり,そちらも朝市と書いた商店街があるので,わかりづらい.しかし,さかな広場は9時開店ということで,つけばなんとなくわかる.営業日は主に月曜日,水曜日以外である.
一色港では湾内の様々な漁に加え,遠州灘での底曳など様々な漁業の産物が水揚げされることから,広い水深帯の魚が見られる.何より,まとまった数が取れれば市場価値の低い魚でも売られる可能性があるということで,とても魅力的な市場なのだ.
ちなみに,荒尾さん・玉井さんが3報にわけて水揚げされた魚類を記録している.
これらは写真を見ているだけでも楽しい.
http://www.toyohaku.gr.jp/sizensi/06shuppan/kenkyuuho/kenpou21/21kenkyu-hokoku17.pdf
(2021年4月追記第四報目も出されたようです.)
やっとのことで到着.しかし・・・.
これはひどい・・・.
前日の時化と客がいないので,営業日にもかかわらず開店しているのは2店舗だけ・・・.
シロギスにクロウシノシタ,一部シマウシノシタやアカウシノシタもまざる.
ホシザメもいた.
それでも,キビレミシマが見られたのは良かった.しかし,購入には至らず.
メンバーで話し合い,だめもとで西浦へ.
西浦は蒲郡の近くで,一色からは30分ほどで着く.
西浦も7時ほどまでの営業で,
ギリギリ間に合うかどうかというタイミングだったが,せっかく来たので賭けてみることにした.
鮮魚市場 鮮魚マーケット 蒲郡漁業協同組合 西浦鮮魚マーケット組合
西浦は一色とは全く別の系列の港であるため,一色で水揚げがなくとも,西浦では水揚げがあったりするのだ.
深海ものと近海ものがある!!
ヨリトフグ(オレンジの300円)にアオメエソ(黄色の300円).
アラ(ブリと一緒にいる300円)やゴテンアナゴ(真ん中のにょろにょろ)もある.
愛知の沖合底曳網漁業は,外洋まで出て,伊豆大島近海から遠州灘,熊野灘付近までを漁場とすることもあるらしい.
そのうえ,静岡県内で行われているかけまわし方式の深海底曳網漁とは異なり,漁期が6月ごろまである(vs.かけまわしは大体5月まで).
深海魚がいるだけでわくわくする.
キュウセンは立派な雄が揃ってて良い!
ヨロイイタチウオ(奥の濃い青札)は白身がとてもうまい.(しかしその分高めだね…)
アカカサゴもいい型.
私は二ギス(左),アオメエソ(中央),ギンメダイ(右)を買った.
一応サンプルとして,実験で使用するが,のこった部位をつまみとするには,最高のものばかりだ!
ギンメダイは鱗をつけたまま皮をしっかり焼きこむと,パリパリとした良い食感になる.
脂も塩とマッチしてとてもうまい.
まだまだマイナーな魚なのでとても安いしおススメ.
しかし,次回はもっと一色が面白い時に行きたいなぁ^^
さかなのしゃしん。
調査で出会った魚達です.
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Chimaeras
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Sharks
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Fishes-Koukotsu-
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Fish larvae
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Osakana-igai
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