東北深海魚紀行~石巻魚市場へ~
石巻漁港 石巻魚市場へ
宮城県には日本有数の大型漁港が三つもあります.その中でも石巻港は水揚げ量全国6位(平成28年度)と大量の魚がが水揚げされるマンモス漁港です(石巻市HP:
http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10102000/0040/3914/6-8-1803.pdf 20180620閲覧
).
今回は石巻港に水揚げされる沖合底曳網漁獲物,特にトウジンとして扱われるソコダラ類のサンプリングを目当てに伺いました.
新しい石巻魚市場は全長876 mもある巨大市場です.
その一端についただけで,事務所ははるか遠くでした…
市場の仲はいくつかの区画(棟)に区切られていて,最初に見学したのは事務所の正面,近海底曳,沖合底曳,養殖のギンザケが並ぶ区画でした.
早速目当ての底曳網産物へ
「とうじん・赤ひげ」として販売されます.
この日はトウジン,赤ひげ合計でで約23トンの水揚げ.
練り物や魚粉,つなぎなどに使われるそうです.
ちなみに,赤ひげと呼ばれるのはイトヒキダラ,とうじんとされるものには複数種混ざっており,今回はオニヒゲとテナガダラが主な漁獲物でした.
沖ハモとされるイラコアナゴは6トンの水揚げ.
アカドンコ
鍋物にするとおいしいらしいです
駿河湾でもたまに見かけますが,東北沖ではニュウドウカジカとともに安定的に撮られているみたいですね.
さすがは東北,アブラツノザメがごろごろしてます.
キチジ(キンキ)がずらり.圧巻です.
これが沖合底曳網漁船.
目的は達成したのですがほかの漁も見学させていただきました.
以下近海の底曳網です.
チゴダラとカレイ類
こちらも練り物になるらしいです.
色々入ってます
サブロウはみることができてうれしかったです
オオクチイシナギ.
おおきめ!
ヌマガレイとカスベ類.
おそらくこれも練り物用.
こちらは養殖ギンザケ,これがまたすごい量….
値段を書いた札を集める競り方式ですが,すぐにそれらを打ち込んで,落とした人を発表.電子化してデータにもしているようです.
次は定置網
定置網船もデカイ・・.
すごい量すごい勢いで仕分けられていきます.
すごい・・・!
ここではクサウオをもらいました.
エゾクサウオらしいです.後輩君が落としてくれました.
震災後,漁獲物の放射線に関する徹底的な安全管理が行われています.
これが放射線測定器.
従来のものは切り身にしないとだめだったものを,東北大学との協力で鮮魚のまま測れるようにしたすごい機器らしいです.
水揚げされた魚はロットごとに無作為に選んだ数十匹の魚を,必ずここで検査をしてから販売します.
あれだけの量の魚について毎日計測しているのはすごい手間です….
徹底的な安全管理に脱帽…
東北の漁業者の努力が報われるよう心からお祈り申し上げます.
石巻魚市場の食堂
競りは6時半から順次行われ,どの部署も8時ごろには終了します.
これだけの量の魚があるのに1時間半ですべてが終了するとは驚きです.
7時前になると仲買や加工業者のトラックが魚を運び出し,魚であふれていた市場は空っぽになりました.
私もその時間に合わせて食堂に行きました.
食堂は一仕事が終わった人々でにぎわっています.
この食堂は一般人でも入れ,最近は観光客も増えてきているらしいです.
私はカツオの刺身定食を頼みました.
カツオも石巻港の主要な水揚げ物.
こうやって,朝あがった魚の一部がすぐに食べられるのはとても魅力的ですね.
ちなみに,一般人の競り見学は見学通路から可能です.
事前に連絡をすれば案内までしてもらえるらしいですよ.