ちとふかし。

深い海の魚が好きです

PICES2024に参加するためハワイに行ってきました.

先日,産総研でやっていたお仕事を発表するためPICES2024に参加しました.

場所はハワイ州オアフ島コンベンションセンター

ワイキキビーチから歩いて15分ほどの場所にあるオシャレな建物です.

朝のワイキキビーチです.

4日間滞在しましたが,ずーっと時差ぼけで,日が昇るまで眠れませんでした.終始ね不足でした.

 

PICES2024は海洋の環境問題や漁業マネジメントなどに関する話題が多かったです.

ただ,自身の英語力のなさを実感し非常に悔しい気持ちになりました.挫けずがんばらねばなりません.

 

せっかくハワイまで来たので,趣味の野鳥観察と飛行機撮影も少々やってきました.

外せないのはシロアジサシ.外来種だらけのハワイですが,本種は在来種活,待ちのシンボルバードになっているそうです.街中に巣があって,海に餌を採りに行きます.いっぱいいました.

め,メジロー!?(外来種

かっこいいのもいました.名前分かりません.

アカヒゲヒヨドリコウラウン)という種らしいですね,もちろん外来種

次に,飛行機を撮るために海岸へ移動.

ワイキキビーチを含む南岸のビーチからはダニエルKイノウエ空港に着陸または離陸する飛行機を撮影できます.

波間にアカアシカツオドリがいました.航路探鳥のように目を凝らして双眼鏡を覗けばもっといろいろな鳥が見られそうです.

PC-12.プライベートジェット?らしいですが,初見.かっこいい小型機ですね.

UH-60でよいのかな…?所属も,機体もあまり自信がありませんが,UH-60系列の米軍ヘリは夜中も含めてしょっちゅう飛んでました.

F-22 ハワイで一番見たかった飛行機ですが,遠い!!

悔しいですが,初めて見た”ラプター”です.空港着陸時に離陸準備している機体も見れました.

 

大型機はともかく,小型機はビーチからだとちょっと遠いです.やはり.近くで飛行機を見るにはダニエルKイノウエ空港しかないかな…ということで最終日は早めにチェックインして空港で飛行機ウォッチングしました.

搭乗口Cあたりは滑走路に近く飛行機の転がりが見えるっぽいです.

うーーん.確かに近いけれど,逆光.

この日は着陸機の転がりが見えました.

Southwest航空のB737ハワイアン航空A330

ボンバルディアチャレンジャー300

プライベートジェットでしょうか

KC135 ストラトタンカーです

離陸機,遠い!!

Amazon airB767です.Amazonがチャーターしている貨物機です.日本ではあまり見る機会がないので少しうれしい.

C-17 グローブマスターIII

空港のすぐ脇にあるパールハーバー・ヒッカム基地の所属機でした

軍用機も同じ滑走路を使っているみたいなので,もうちょっとここで待っていれば戦闘機も見られたのかもしれません.が,残念ながら時間切れ.

最後にグロマスが近くで見れて楽しかったです.

 

…おや?

これは!!MD-11!?

反対側の格納庫にFedFXのMD-11があるのを発見しました.

日本にも飛来しているようですが,まだ見たことがない,3発貨物機.引退まじかと噂されています.ひとまず証拠写真だけでも抑えられてよかったです.次は近くで撮影したいです.

それでは.

知床の刺し網漁業に同行しました

こんにちは.

今の仕事に就いてから,魚の研究の魅力を学生に語る機会は大いに増えたのですが,肝心の魚の研究は全然進んでいません.

本当に研究の時間は少なくなりますね….院生時代,毎日のように魚を触っていたころが夢のようです.

 

そのような中,授業も終わり,テストの採点も終わった貴重な自由時間を使って知床の刺し網漁業に同行させていただきました.

お世話になったのは第31吉定丸さんです

深夜1時に出港し,真夜中の操業となります.

1時間も走らずすぐに巻き上げが始まります.

船の横には別の刺し網船.たくさんの船が一斉に港を出て漁に向かう姿は圧巻でした.

狙いはホッケとスケソウダラ

乗組員の皆さんは鮮やかに魚を網から外していきます.めちゃくちゃ魚がきれい!

こちらはキタノホッケ.とても美しいです.

大きなヤナギメバル.噂には聞いていましたが,一見するとアコウにしか見えません.

とても大きなコマイもいました.タラ!って感じですね.

トクビレもこんなにたくさん.本州の海で育った私にとっては見慣れない光景で,とてもわくわくしました.

しかも夏にとれるなんて思いませんでしたが,漁師さん曰く1年じゅうとれるしなんなら夏の方が多いくらいとのことでした.札幌市内のスーパーでは今時期ほとんど見なくなりましたが,季節の食べ物ではなかったのですねぇ.

船の屋根に潜み魚を狙う悪い奴

クロアシアホウドリがめちゃくちゃいました.

一番多い時,船の周りに8羽も浮いていました.流石羅臼….

クルーズ船だとこの距離では見られませんね….

コアホウもいました.望遠レンズ持ってきたかったなぁ.

午前中で量は終わり船は港に向けて戻ります.

羅臼岳が美しいです.シャチクルーズの船から見た景色を,刺し網船から見るのはとても新鮮ですね.

港に戻ると水揚です.今回の漁で初めて生きたキンキを見ました.鮮やかな赤色がとても美しかったです.

別の船も水揚げしていました.サメガレイ,良いですね….どんな混獲があったのか….

ドブカスベでしょうか・・・?こちらも羨ましいです.

黒いカスベはかっこいいですね

 

今回,とても面白い経験をさせていただき,たくさんサンプルもいただけました!

私の短い夏休みはこの調査旅行とその処理で終わり….

オーキャン,会議,出張,翌月に控えた科研費申請や学会の準備と8月は予定がきちきちです….今回のリフレッシュでこれら乗り切って楽しい新学期を迎えたいですね.

それでは,また.

 

千歳でユーロファイター

こんにちは.

札幌に引越してそろそろ半年になります.

ようやくこちらの生活にもなじんできました.

 

先日,千歳基地にユーロファイターが飛来したので撮影に行ってきました.

 

かっこいいですね.これはスペイン空軍の機体です.

 

こちらはドイツ空軍のユーロファイター.スペイン機も良いですが,ドイツ機の「シブさ」はまた格別です.

自衛隊のF15が離陸準備をしています.

 

今回の共同訓練に合わせたスペマ機も見れました.(写真に少しメラが出てしまい残念….)

 

それ以外にもたくさんの珍しい機体が撮れました!ハッピーです.

これはNATOA330 MRTT

スペインのA400Mです.

JpGU2024に参加しました

JpGU2024に参加しました。

といっても、授業があったのでオンラインにて。

しかし、これだけ大きな学会は初めて参加しました。

私が参加したことのある学会で最も大きなものは水産学会だったのですが、それよりもさらにおおきく様々なセクションが同時並行的に行われていて新鮮です。

私は「コンゴウアナゴを用いた拓洋第5海山と日本列島沿岸域の連結性に関する研究」という発表をしました。ちょっとアウェーだったかな…?

来年はぜひ会場参加してみたいですね!

初めて北海道の市場に行きました

こんにちは。

こちらのブログではきちんと表明していませんでしたが、2024年4月から札幌に引っ越しました。

今日はM先生のご紹介で苫小牧の魚屋さんと知り合うことができ、市場に連れて行っていただきました。

ご案内いただいたTさん、Yさん、本当にありがとうございます。

なかなか本州ではなじみのない、真っ白な光景に驚きます。

 

本当にカレイが多いですね。種によって値段ももちろん違います。

うっすらをわかる気がするのですが、自信がないです。精進しなくては。

 

カスベがいました。なかなかこの仲間を目にする機会が少なかったので新鮮です。

もっと小さい魚だと思っていました。標本として持って帰るにはちとでかい。

 

今日はサメガレイとキアンコウを落としていただきました。

サメガレイは深海魚ですし、本州より浅い場所に出るらしく、食ってるものも気になります。(クモヒトデがお好きとのことですが、それは水深1000mだから?それともそれより浅くてもクモヒトデを食べてるの?というささやかな疑問です)

キアンコウもそこそこあがっていて驚きました。北海道から南日本の太平洋、さらには日本海まで分布しているなんて、その集団構造ってどうなってるのかなぁ。

これからいろいろお面白そうだなとおもった市場訪問でした!

岡山で381系を撮影しました

こんにちは.

今回は研究と全く関係がない,私の趣味の日記です.

 

久しぶりに何もない休日だったので,今しかないと弾丸で岡山に電車の撮影に行きました.

 

狙いはこの車両↓ 381系特急やくもです.

381系ゆったりやくも色 現在の特急やくもの標準的な塗装



今,特急やくもでは,様々な時代の「色」を復刻させているのです.

まずは国鉄特急色.381系デビュー当初の色です.

 

こちらは通称「みどりやくも色」.

車両の改善工事の際に消滅してしまった塗装です.まだ中2両が「ゆったりやくも色」のままですが,この後全て「みどりやくも色」に統一されるそうです.

 

これは駅で撮影した「スーパーやくも色」.

一番見たかった色ですが,残念ながら時間的に間に合わず駅で撮影.

 

そして,この381系は私の思い出の車両でもあります.

小学生の頃,年に1回だけ,和歌山県の海に連れて行ってもらえる日がありました.

海なし県民の私が,思い切り海で遊べる日.

それまでに磯で採れる海水魚のことを調べて,今年はあれをとりたい,あれをみたいと期待を膨らませます.

そして,1年分の期待と夢を背負って381系特急くろしおに乗り,海へ行くのです.

 

紀勢・きのくに線を駆け抜けた,381系くろしお.2011年に撮影したもの.

そろそろ381系の寿命も近づいているとのこと,もしかしたらこれがわたしにとって381系を撮影する最後のチャンスかもしれません.

思い出を反芻しながら,じっくり撮影させていただきました.

できれば,もう一度このスカイブルーの「くろしお」が見たかったなぁ….

 

 

 

長崎にて深海延縄漁。

こんにちは。

少し前の話になるのですが、長崎で深海延縄漁をされている漁師さんのご厚意で、漁に同行させていただきました。

地形変化のなだらかな東シナ海において、深海漁というのはあまりなじみがなく、いったいどこで操業されるのか、何がとれるのかとわくわくして臨みました。

 

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長崎沖の東シナ海Googleマップで見てみると、全体的に起伏が無く遠浅な海が続いているように見えます。

しかし、矢印で示した部分は水深800mほどまで落ち込んでいるようです。

五島列島の手前には五島海底谷とよばれる谷もあります。

ただ、深海底に至る斜面までは遠く、海域全体が平坦なことから、この凹んだ場所は、まるで”水深800mの大きなタイドプール”のようになっています。

今回はこの凹みのきわ、長崎近海東シナ海の水深200-800mの緩やかな斜面にて調査を行いました。

 

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明朝1時の出航。写真は月の入りです。

全日はわくわくであまり眠れませんでした。

 

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夜光虫の発光です。航跡波が刺激になって海面の夜光虫が光ります。

ちょうど海があたたかくなる時期ということもあってか、ものすごい量の夜光虫がいたのでしょう。

夜、船に乗るとこういう発光現状はよくみられるのですが、今回のように、鮮明に写真が撮れるほどのものは初めてみました。

 

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餌はサンマのぶつ切り。

1縄1000本近い針を深海におろします。

ポイントにつくまで2時間ほど、そこから縄の投入に1時間。さらに1時間ほど食い待ちの時間があって、ちょうど日が昇るころに一縄目を回収します。

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深海釣りに行く時もだいたいそうですが、水深800mからの巻き上げとなると流石に時間がかかります。

ドキドキしながら待ちます。

f:id:ORCINUS:20210523063537j:plain仕掛が見え始めると早速魚影。

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サガミザメでした。

(ヘラツノかどうか、難しいところですが、水深が深くかつ色味が茶色、第一背鰭が大きいなどから判断)

今回、すごい量のサガミザメがかかっていました。

熊野灘における水深500 mの優占板鰓類が本種であるという文献を見たことがありますが、この海域(というか漁場)でも本種が卓越しているのだなぁなどと納得してしまいます。

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サガミザメと併せてものすごい量釣れたのがカラスザメの仲間。

上がフジクジラで、下がホソフジクジラです。

フジクジラは水深500-800 m、ホソフジクジラは300-500 mの海域で採れました。

これらの仲間が生息水深による住み分けをしているのでは?という感覚があるのですが、まさに水深によって異なる種が出現したのでちょっと興奮。

 

しかし、縄のほとんどに、この2種のどちらかとサガミザメがついていて、しばらく見なくてもいいかなってくらいには満足しました。

ものすごい資源量があるのか、群れるような場所にピンポイントで落としてしまったのか。現時点で調べるつもりはないのですが、良いネタになるかもしれません。

f:id:ORCINUS:20210523125658j:plainあまりなじみのない種類もぽつぽつ上がります。

これはツマリツノザメ。

全体的に黒みがかったツノザメで、最初見たときはなんだかわかりませんでした。

ツノザメの仲間も生息域にけっこうこだわりがあるようなイメージがあったので、知らない海域には知らないツノザメがいるものだなぁなんて思いました。

f:id:ORCINUS:20210523125341j:plain延縄漁。すごい量の板鰓類がとれます。初体験です。

底曳じゃここまで豊富な種類なかなか見られないので楽しいです。

上から、ヘラザメ、サガミ、サガミ(ヘラツノっぽい?)、サガミ、ヤモリザメ、ヤモリザメ、ツマリツノザメです。このほかにユメザメもみられました。

ただ、定説では水深500mを超えたあたり魚類相が変わり、普通の日本近海の大陸斜面だとニセカラスやら、ビロウドやら、マルバラユメなんかが見られるはずなのですが、本調査では500m付近の魚が800mまで分布しているような印象でした。そこに、南方系のツマリツノやヤモリなどが入っているといった印象です。

 

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でっかいウスエイ。

どこでもぽつぽついる魚っていうイメージです。

でかいと興奮しますが、この個体は体盤長は1.5mを越えていて、全長だと2mほどありそうだったのでリリースしてもらいました。

車出来てたら持って帰れるのになぁ…。

 

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水深200mのポイントでやっとお目当ての魚が!!

 

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極めて美しいギンザメのオスです。

引き上げたときは黒色の縦線がはっきり見えました。

氷で〆ると一時的に線は薄くなり、死後時間がたつと(粘液を落とすと)また黒い線が現れます。

この白銀のギンザメは極めて鮮度が良い時にしか見られません。

とても美しい。美しい…!素晴らしい!!

本種が採れた時点で、今回のサンプリングは目的完遂。お疲れさまでした!!

 

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海は深い深い青に染まっていました。

波もなく心も晴れやかな気分です。

調査にご協力いただいたY船長と案内してくださったYさん、本当にありがとうございました!!

 

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帰りがけ、海から軍艦島を眺めました。

いやぁ、長崎に来てたんだなぁ。

こういうものにも目がいくのは心穏やかな証拠。

ありがとう、ギンザメさん。

この個体は既にゲノム抽出をされ、いろいろな手法でシーケンスされています。

質の良いゲノムが取れてハッピーです。本当に皆さんに感謝です。

 

 

=オマケ=

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キハ66、67です。

国鉄の置き土産で、長崎地区にのみ運用が残っていました。

この調査の後、惜しまれつつ引退しました。

私としてもぜひ見てみたかった車両だったので、この時期に調査を入れることができてハッピーでした。

もう見ることはできませんが、最後の最後にこの形式の写真が撮れただけでも思い出ものです。