ちとふかし。

深い海の魚が好きです

業績

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手良村知功(Akinori Teramura)が過去に行った研究活動です.

論文(発表年順)

  • 手良村知功・中山直英・瀬能 宏,ワニダラHymenocephalus longibarbis(タラ目:ソコダラ科)の日本からの追加標本と本種の分布特性,神奈川自然誌資料,37号: 33-36,2016
  • Miyazaki Y., Teramura A., Senou H., Biodiversity data mining from Argus-eyed citizens: the first illegal introduction record of Lepomis macrochirus macrochirus Rafinesque, 1819 in Japan based on Twitter information, ZooKeys, 569:123-133, 2016
  • 手良村知功・石川 新・渋川浩一・瀬能 宏,駿河湾初記録のスジトラギス(スズキ目トラギス科),東海自然誌,10号:39-42,2017
  • 三井翔太・手良村知功・三井 修,下山川の魚類相について,神奈川自然誌資料,38号: 67-76,2017
  • 河野 博・デイビッド エリック アンマリサン・石川 新・新城 遥己・小野寺 暁・手良村 知功,魚類骨格透明標本を用いたESDの例-アユの仔魚の歯を観察して生態との関係を知ろう-,東京海洋大学研究報告,14巻:38-57、2018(査読無し)
  • 手良村知功・安田 慎・天野雄一・三井翔太・櫻井風汰・平瀬祥太朗・瀬能 宏,駿河湾から得られた北限記録の魚類3種とその分布特性,神奈川県立博物館研究報告自然科学,48号:13-20,2019(査読無し)
  • Miyazaki Y., Teramura A., Senou H., Preliminary report on bycatch fish species collected from the Tokyo Submarine Canyon, Japan, ZooKeys 843: 117-128, 2019
  • Koeda K. and Teramura A., Redescription of Tetragonurus pacificus (Teleostei: Stromateoidei: Tetragonuridae), based on specimens collected from Taiwan and Tarawa Atoll, ZOOTAXA, 2019
  • 田中翔大・佐藤 仁・手良村知功,渡嘉敷島渡嘉志久湾から得られたユキフリソデウオ Zu cristatus (フリソデウオ科 : Trachipteridae) の記録,Fauna Ryukyuana 53:1-5,2020
  • 手良村知功・小枝圭太・鈴木尚光・平瀬祥太朗・瀬能 宏,ホテイエソ亜科魚類Bathophilus longipinnisアマノガワギンガエソ(新称)の日本からの初記録,魚類学雑誌,DOI: 10.11369/jji.19-032,2020
  • 手良村知功・藤川大学・和田英敏,遠州灘から得られたベニマトウダイの記録と本種の成長変化に関する新知見,Nature of Kagoshima 46:519-524, 2020 (査読無し)
  • 矢頭卓司・手良村知功・瀬能 宏,静岡県沖から得られたホウボウ科魚類バケソコホウボウと形態変異,神奈川県立博物館研究報告自然科学,50号: 31-37,2021(査読無し)
  • 手良村知功 ・加瀬希世志 ・加藤柊也・瀬能 宏・和田英敏,千葉県銚子沖から得られた赤色色素を欠失したホウボウ Chelidonichthys spinosus,Ichthy,Natural History of Fishes of Japan, 7;11–14,2021
  • 江藤 曉・手良村 知功・瀬能 宏,駿河湾初記録のノドグロヒメアンコウ(アンコウ目アンコウ科),Ichthy,Natural History of Fishes of Japan, 16:1–4,2022
  • Teramura A., Kohno H., Senou H., Kikuchi K., Shotaro H., Kunishima T. A preliminary deep-sea fish fauna list with new and northernmost records, in the continental shelf to the upper continental slope in the east Enshu-nada Sea, central Japan, Plankton and Benthos Research, 17:95-99, 2022
  •  Teramura A., Koeda K., Aizawa M., Sakamoto K., Ueshima R. A list of the specimens of Chimaeriformes (Holocephali) in the Department of Zoology, The University Museum, The University of Tokyo. 東京大学総合研究博物館標本資料報告. 129:101-108, 2022(査読無し) 
  • Nishimura O. et al. (全42著者,私は第10著者), Squalomix: shark and ray genome analysis consortium and its data sharing platform, f1000res, 1077:1-11, 2022
  • Teramura A., Koeda K., Matsuo A., Sato MP., Senou H., Ho HC., Suyama Y., Kikuchi K., Hirase S., Assessing the effectiveness of DNA barcoding for exploring hidden genetic diversity in deep-sea fishes, MARINE ECOLOGY PROGRESS SERIES, 701:83-98, 2022
  • 水町 海斗・中山 透・手良村 知功・遠藤 広光,日本初記録のイッテンカゴマトウダイ(新称)Cyttopsis cypho(マトウダイ目ベニマトウダイ科)とカゴマトウダイC. roseaとの形態比較,魚類学雑誌,69(1):33-41,2022
  • 矢頭 卓児・手良村 知功・瀬能 宏,遠州灘から得られた日本初記録のホウボウ科魚類ミナミソコホウボウ(新称),神奈川県立博物館研究報告自然科学, 51 号: 1-7,2022(査読無し)
  • 矢頭 卓児・手良村 知功・松下 亮介・瀬能 宏,石巻市沖から得られた北限記録となるハナナガソコホウボウ(スズキ目ホウボウ科)の形態異常個体,神奈川県立博物館研究報告自然科学, 52 号: 51-57,2023(査読無し)

著書

  • Teramura A. Families Sternoptychidae, Myctophidae. In: Koeda, K. and Ho, H.-C. (eds.) Marine fishes of southern Taiwan. National Museum of Marine Biology & Aquarium, 2019.

学会発表

  • 手良村知功・天野雄一.第25回浜名湖をめぐる研究者の会.遠州灘の底曳網漁で採集された魚類と遠州灘初記録のワニダラについて.2016年12月(口頭発表・ポスター発表)

  • 手良村知功・河野 博.第51回魚類学会年会.遠州灘の大陸棚外縁部および斜面における深海魚類相.2018年10月(ポスター発表)

  • 手良村知功・平瀬祥太朗・菊池 潔.第27回浜名湖をめぐる研究者の会.舞阪沖で漁獲された深海性魚類のDNAバーコーディング.2018年12月(口頭発表・ポスター発表)

  • Teramura, A., K. Koeda, H. Senou, K. Kikuchi, S. Hirase. The first online conference of the Deep sea society, DNA barcoding of mesopelagic and demersal fish species on the continental shelf and upper slope in Japanese and Taiwanese waters, Poster, AUG, 20, 2020.

  • 手良村知功・松尾 歩・佐藤 光彦・陶山 佳久・菊池 潔・平瀬 祥太朗.2020年度第54回日本魚類学会年会(ウェブ大会).日本周辺の大陸棚外縁部に生息する 12 魚種の集団構造解析.口頭(23番),2020年10月31日

  •  手良村知功.生物多様性のDNA情報学~自然の計測と生命の理解のために~,DNA barcoding of mesopelagic and demersal fish species on the continental shelf and upper slope in Japanese and Taiwanese waters.ポスター(P7番),2020年12月23日.

  •  手良村知功・小枝圭太・瀬能 宏・菊池 潔・平瀬祥太朗.令和3年度日本水産学会春季大会.日本近海産深海性魚類のDNAバーコーディング.口頭(423番),2021年3月28日

  •  手良村知功・瀬能 宏・菊池 潔・平瀬祥太朗.2021年度日本魚類学会WEB大会."ギンザメ"(ギンザメ目ギンザメ科)に見られる遺伝的 2 型は隠蔽種か?.ポスター(54番).2021年9月18日
  • 手良村知功・菊池 潔・平瀬祥太朗.令和4年度日本水産学会春季大会.日本産ギンザメ科魚類のゲノム系統解析.口頭(527番).2022年3月28日
  • 手良村知功・瀬能 宏・菊池 潔・平瀬祥太朗,日本産ギンザメ科魚類の全ゲノム系統解析,第56回魚類学会,口頭発表39番,2022年9月20日.優秀口頭発表賞受賞
  • 手良村知功,小枝圭太,松尾 歩,佐藤光彦,瀬能 宏,Hsuan-Ching Ho,陶山佳久,菊池 潔,平瀬祥太朗.DNAバーコーディングとMIG-seq法を用いた日本近海産深海性魚類の種多様性の解明,DNA多型学会第31回学術集会,口頭発表O-3,2022年11月18日.優秀口頭発表賞受賞

外部資金

  • 平成31年度 笹川科学研究助成「日本近海の深海魚類を対象とした分類群横断的な大規模DNAバーコーディング」研究番号7139 助成額:660,000円.(研究代表)
  • 科研費 特別研究員奨励費 " 深海性魚類のDNAバーコーディングと集団構造解析~種多様性の実態と要因に迫る~"

賞罰

その他

駿河湾の底曳網漁業に同行してきました.

お久しぶりです.

いろいろと仕事をため込んでしまい,気が付けば五月になってしまいました.

そろそろ静岡県の底曳網漁業の漁期も終わりですね.時間がたつのが早すぎる…

 

今日はいつもお世話になっている駿河湾の漁師さんの船に乗せてもらったときのお話しをいたしますので,少しばかりお付き合いくださいませ

 

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出港は日の出前.

いつもは寝る時間に出船です.

  

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日が出たら網を入れます.操業開始です.

この日は午後に風が吹くらしかったのですが,朝はびっくりするくらいベタなぎでした.

日ごろの不健康な生活に加え,寝不足気味なので一応アネロン(酔い止め)を飲みました.

 

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そうこうしている間に一網目が上がります.

大体網を入れて一時間くらいです.水深300 mの世界に網が入る瞬間は今でもワクワクします.

 

自分は捨てられる魚を集めます.

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船には海鳥が付いてきます.

結構いろいろな鳥が見られるようで,運がいいとアホウドリの仲間やミズナギドリの仲間もみられます.

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選別作業を手伝っている間に二網目が入るので,二網目が上がってくるのは結構早く感じます.

 

エビに混じるユメカサゴも立派ですね.

他海域でもみられるのですが,トウジンやヘリダラは駿河湾の底曳では特に多いので,この地域の底曳網を代表する魚のような気がしてます.

 

ミナミアナゴ(手前のにょろにょろ)もたくさんいました.ミナミアナゴが生きているの初めて見ました.

 

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これがあと3網続きますが,気が付けば前甲板で寝てしまいました

 

海の真ん中で日光浴をする解放感と久々に過ごす穏やかな時間にうっとりしてしまいました.

 

たくさんの魚を抱えて,ラボに帰宅.

ここから怒涛の計測と標本作成,ゲノム抽出…

 

さて,それはいいとして,ちょっとだけお持ち帰りした魚のご紹介.

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ヤリホシエソ,シギウナギ,ミツマタヤリウオにマメハダカ.すーぱー黒いかっこいい魚達です.

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ヤリホシエソは,口が網に引っかかっていたので,超最高な標本状態で体側・腹部発光器だけでなく,体を駆け上る発光器点列までも見えます…

しかも.その日のうちに写真を撮ったので,紫色と黄色の反射板の色がばっちり写真に写りました.

感無量.何度眺めてもよい魚だなぁと…f:id:ORCINUS:20190508231028j:plain

こちらも超鮮度!

昔からシギウナギは憧れの魚でしたが,採れるときはけっこうとれます.

この子はまだ若いらしく,体の色も黒みも薄めでした.

 

ただ,少しお口に泥がついてしまっていました.

無念….

 

とまぁ,今日のところはこの辺で…!

あっ.写真コーナー(バナー上のPhotoのところ)のレイアウトを変更して,分類順にしてみました.

少しずつ充実させているので,そちらもみてくださいねぇ

沼津魚市場

お世話になっている魚屋さんのご厚意で沼津魚市場にて調査を行いました。

 

底曳網は風が強いと出漁しませんので,1-2月は海況が悪化しあまり船が出ません。

そのため,メインの底引網漁が出た日はわっと湧くように市場が活気づいています。

 

 

まずは,一番の醍醐味,底曳網産物から

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アオメエソ(メヒカリ,トロボッチ)やニギスは底曳網漁獲物の定番です。

これはアオメエソの仲間で,おそらくバケアオメエソと思われます。

 

規格外の魚は小さい籠に入れられて売られます。ちなみに,「0」というのは0キログラムという意味でタダではありません。0の場合は一籠単位で値段が付きます。

お世話になっている魚屋さんに頼んみこんで落としてもらいました。

感謝…!

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ヒシダイです。

沼津港でも何度か揚がっているようですが,実物を見たのは初めてです。

 

ちなみに,沼津港は仲買の数が多く,チャレンジングな仲買さんもおられますので,こういった普段投棄されそうな魚も漁師さんがとりあえず持ってくるので,変な魚が並ぶことがあるそうです。

 

定置網・釣りもの

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地ものでは釣りや定置網の魚も並びます。

立派なムツ。

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ヒメコダイもよく見ます。

一部の料亭が高く買っていくようでそこそこ値が付きます.

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定置に入ったハマフエフキ。

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ごじゃごじゃと色々入っています。

 

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立派なヘダイ。

 

活魚を見るのも楽しい

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カンパチ,いい色をしています。

奥の水槽にいるのはクロダイとカスミアジ?でしょうか??虫の息ですが生きてます。

 

 

陸送物は珍しいものや超高級魚がずらりと

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沼津港は各地からの陸送物もよくあります。
マグロ(メジサイズから立派なものまで),カツオ,キンメ,アブラボウズなど。

冬ならブリ。クジラ,イルカなんかも並びます。

 

入ると楽しい巻き網船

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数トン水槽での取引となるため,巻き網船の水揚げ場は屋外です。

 

自動選別機ではじかれた籠には面白い魚がいることがあります。

 

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クロタチカマス!!

 

普通のスミヤキ(クロタチカマス)よりも身羽振りが良く脂のノリも最高なのでとてもうまい魚ですし,なによりいつもいつもいる魚ではないので,見られるとちょっと嬉しいです。

 

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タコブネです。全然研究とは関係なのですが,見られるとちょっと嬉しいです。

 

 

今回は以下の魚をいただいたり,購入できたりできました。

沼津港の魚屋のみなさん,市場の方々ありがとうございました!!

ここから体は標本にして博物館へおくり,鰭からはゲノム抽出をしてDNA実験に使います。

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あけましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます。

 

ネタはたまるのですが,なかなか記事にしようとすると気合がいりますね笑

昨年度末は論文などの書き物がたまってしまいなかなかブログまで手が回らない不始末ぶりでした。

 

今後の方針について迷うことはありますが,深海魚以外にも少しずつ手を伸ばして,投稿を習慣化できればと画策しております。

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

今期も底曳網が始まりました.

底曳網解禁!

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9月に底曳網漁業が各地で解禁しました!

(いままで「である調」だったのですが,なかなかである調だと硬くなってしまい,書きづらかったので今更ながら「ですます調」に変更します)

駿河湾では少し遅く9/15となりましたが,遠州灘に面する愛知県や静岡の一部では9月あたまから解禁していたようです.

 

このため,9月に入ってから静岡県内のスーパーでもアオメエソ(メヒカリ)や二ギスといった深海性魚類がぽつぽつと見られるようになってきました.

 

今回は久々に近所の漁港で底曳網漁の水揚げを見てきました.

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ユメカサゴがたくさんあがっています.

おおきいものだと刺身もいいのですが,これくらいだと煮付けがうまそう.

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おお!ウケグチメバル

いつもいない魚との出会いはうれしいです.

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漁師さんに挨拶し,投棄魚からサンプルを確保して帰宅しようとしたとき,

今日はたくさんとれたからもってけとおこぼれをいただいてしまいました.

市場に入れていただいているだけで感謝なのに・・・.

今季初のメヒカリ,美味しくから揚げでいただきました.

何かと忙しく次のサンプリングはいつどこに行くことになるか・・・.

はやく色々な深海魚をみたいですね!!

 

東北深海魚紀行~石巻魚市場へ~

石巻漁港 石巻魚市場へ

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宮城県には日本有数の大型漁港が三つもあります.その中でも石巻港は水揚げ量全国6位(平成28年度)と大量の魚がが水揚げされるマンモス漁港です(石巻市HP:

http://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10102000/0040/3914/6-8-1803.pdf 20180620閲覧

).

 

今回は石巻港に水揚げされる沖合底曳網漁獲物,特にトウジンとして扱われるソコダラ類のサンプリングを目当てに伺いました.

 

新しい石巻魚市場は全長876 mもある巨大市場です.

その一端についただけで,事務所ははるか遠くでした…

 

 

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市場の仲はいくつかの区画(棟)に区切られていて,最初に見学したのは事務所の正面,近海底曳,沖合底曳,養殖のギンザケが並ぶ区画でした.

 

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早速目当ての底曳網産物へ

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「とうじん・赤ひげ」として販売されます.

この日はトウジン,赤ひげ合計でで約23トンの水揚げ.

練り物や魚粉,つなぎなどに使われるそうです.

 

ちなみに,赤ひげと呼ばれるのはイトヒキダラ,とうじんとされるものには複数種混ざっており,今回はオニヒゲとテナガダラが主な漁獲物でした.

 

 

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沖ハモとされるイラコアナゴは6トンの水揚げ.

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アカドンコ

鍋物にするとおいしいらしいです

駿河湾でもたまに見かけますが,東北沖ではニュウドウカジカとともに安定的に撮られているみたいですね.

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さすがは東北,アブラツノザメがごろごろしてます.

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キチジ(キンキ)がずらり.圧巻です.

 

 

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これが沖合底曳網漁船.

 

 

目的は達成したのですがほかの漁も見学させていただきました.

以下近海の底曳網です.

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チゴダラとカレイ類

こちらも練り物になるらしいです.

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色々入ってます

サブロウはみることができてうれしかったです

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オオクチイシナギ.

おおきめ!

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ヌマガレイとカスベ類.

おそらくこれも練り物用.

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こちらは養殖ギンザケ,これがまたすごい量….

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値段を書いた札を集める競り方式ですが,すぐにそれらを打ち込んで,落とした人を発表.電子化してデータにもしているようです.

 

 

次は定置網

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定置網船もデカイ・・.

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すごい量すごい勢いで仕分けられていきます.

すごい・・・!

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ここではクサウオをもらいました.

エゾクサウオらしいです.後輩君が落としてくれました.

 

震災後,漁獲物の放射線に関する徹底的な安全管理が行われています.

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これが放射線測定器.

従来のものは切り身にしないとだめだったものを,東北大学との協力で鮮魚のまま測れるようにしたすごい機器らしいです.

水揚げされた魚はロットごとに無作為に選んだ数十匹の魚を,必ずここで検査をしてから販売します.

あれだけの量の魚について毎日計測しているのはすごい手間です….

 

徹底的な安全管理に脱帽…

東北の漁業者の努力が報われるよう心からお祈り申し上げます.

 

石巻魚市場の食堂

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競りは6時半から順次行われ,どの部署も8時ごろには終了します.

これだけの量の魚があるのに1時間半ですべてが終了するとは驚きです.

7時前になると仲買や加工業者のトラックが魚を運び出し,魚であふれていた市場は空っぽになりました.

私もその時間に合わせて食堂に行きました.

食堂は一仕事が終わった人々でにぎわっています.

この食堂は一般人でも入れ,最近は観光客も増えてきているらしいです.

私はカツオの刺身定食を頼みました.

カツオも石巻港の主要な水揚げ物.

こうやって,朝あがった魚の一部がすぐに食べられるのはとても魅力的ですね.

 

ちなみに,一般人の競り見学は見学通路から可能です.

事前に連絡をすれば案内までしてもらえるらしいですよ.

www.isiuo.co.jp

 

一色さかな村と西浦鮮魚マーケットへ。

雨上がり,期待薄・・・.しかし,深海魚が少し!

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 2018年もすでに6月あたま.もう梅雨入りである.この日はちょうど雨上がりで,船もあまり出ておらず期待薄な中,とりあえず一色さかな村を目指して早起き.

 

 私の我儘に付き合ってくれた先輩と後輩と.朝4時ごろラボに集合し,眠い目をこすってまずは一色さかな村へ.これが結構遠い・・.

 

 一色さかな村はは朝4-7時のみ営業(土日は昼までやってる店もある.)HPでは8時までとなっているが,7時にはしめてしまう店もあり,また遅くいけばいくほど品物は薄くなっている.ちなみにすぐ横に一色さかな広場という観光客向けの施設があり,そちらも朝市と書いた商店街があるので,わかりづらい.しかし,さかな広場は9時開店ということで,つけばなんとなくわかる.営業日は主に月曜日,水曜日以外である.

http://www.at-ml.jp/72817/

 

 一色港では湾内の様々な漁に加え,遠州灘での底曳など様々な漁業の産物が水揚げされることから,広い水深帯の魚が見られる.何より,まとまった数が取れれば市場価値の低い魚でも売られる可能性があるということで,とても魅力的な市場なのだ.

 ちなみに,荒尾さん・玉井さんが3報にわけて水揚げされた魚類を記録している.

これらは写真を見ているだけでも楽しい.

http://www.toyohaku.gr.jp/sizensi/06shuppan/kenkyuuho/kenpou21/21kenkyu-hokoku17.pdf

(2021年4月追記第四報目も出されたようです.)

 

 やっとのことで到着.しかし・・・.

これはひどい・・・.

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 前日の時化と客がいないので,営業日にもかかわらず開店しているのは2店舗だけ・・・.

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シロギスにクロウシノシタ,一部シマウシノシタやアカウシノシタもまざる.

ホシザメもいた.

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それでも,キビレミシマが見られたのは良かった.しかし,購入には至らず.

 

メンバーで話し合い,だめもとで西浦へ.

西浦は蒲郡の近くで,一色からは30分ほどで着く.

西浦も7時ほどまでの営業で,

ギリギリ間に合うかどうかというタイミングだったが,せっかく来たので賭けてみることにした.

鮮魚市場 鮮魚マーケット 蒲郡漁業協同組合 西浦鮮魚マーケット組合

西浦は一色とは全く別の系列の港であるため,一色で水揚げがなくとも,西浦では水揚げがあったりするのだ.

 

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深海ものと近海ものがある!!

ヨリトフグ(オレンジの300円)にアオメエソ(黄色の300円).

アラ(ブリと一緒にいる300円)やゴテンアナゴ(真ん中のにょろにょろ)もある.

愛知の沖合底曳網漁業は,外洋まで出て,伊豆大島近海から遠州灘熊野灘付近までを漁場とすることもあるらしい.

そのうえ,静岡県内で行われているかけまわし方式の深海底曳網漁とは異なり,漁期が6月ごろまである(vs.かけまわしは大体5月まで).

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深海魚がいるだけでわくわくする.

キュウセンは立派な雄が揃ってて良い!

ヨロイイタチウオ(奥の濃い青札)は白身がとてもうまい.(しかしその分高めだね…)

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アカカサゴもいい型. 

 

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私は二ギス(左),アオメエソ(中央),ギンメダイ(右)を買った.

一応サンプルとして,実験で使用するが,のこった部位をつまみとするには,最高のものばかりだ!

 

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ギンメダイは鱗をつけたまま皮をしっかり焼きこむと,パリパリとした良い食感になる.

脂も塩とマッチしてとてもうまい.

まだまだマイナーな魚なのでとても安いしおススメ.

しかし,次回はもっと一色が面白い時に行きたいなぁ^^